metaphorium

面白いと思った本(主に小説)の書評を書いていきます。

【感想】『ケン・リュウ短編傑作集2 もののあわれ』

本書は、『ケン・リュウ短編傑作集1 紙の動物園』の続きにあたる短編集だ。傑作集1と2はもともと新☆ハヤカワ・SF・シリーズ『紙の動物園』に収められた作品群を2冊に分けたものなので、この短編集全体を通じて感じた感想については、傑作集1の書評で述…

【書評】孤独を抱えた人たちの、不器用な恋愛が、せつない『すべて真夜中の恋人たち』川上未映子

本作品では、年齢も境遇も違う、各々に寂しい想いを抱えた二人の人物の恋愛が、繊細な言葉選びとリズムを持った文体で描かれている。とても美しく、何度も読み返したくなる小説だ。 語り手である入江冬子は34歳の独身女性で、フリーランスで校閲の仕事をし…

【書評】心を打つSF短編集『ケン・リュウ短編傑作集1 紙の動物園』(ケン・リュウ/古沢嘉通編・訳/早川書房)

ケン・リュウは1976年生まれの中国系アメリカ人の作家で、2012年に『紙の動物園』でネビュラ賞、ヒューゴー賞、世界幻想文学大賞の史上初の三冠を達成した。 彼の作品はファンタジー要素の強い幻想的な作風のものからSF色が全面に出たものまで幅広く…

初めましての挨拶

こんにちは、初めまして。Iichiと言います。 30を少し過ぎたあたりのアラサーです。三重県に住んでいます。 最近肩こりがつらいのが悩みです。 このブログは自分が読んで面白かった小説の書評を書いていこうと思っています。 お付き合いいただければ幸いです…